リフォームの知識
何を基準に選ぶ? リフォームの『床材』の種類と特徴を解説!
それぞれたくさんの種類があるけど、どんなものを選ぶのかな?
フローリングだけでそんなに種類があるなんて知りませんでした。
どんな違いがあるんですか?
今回は、主な床材の種類とそれぞれの特徴を分かりやすく紹介します。それぞれの違いを理解し、どの場所にどの床材を選べば良いかを考える参考にしてください。
1.床材の種類は?
床材は、大きく分けて下記の5種類があります。
・フローリング
・塩ビ
・畳
・カーペット
・タイル
床材は、部屋の大部分の面積を占めるため、住み心地や部屋の印象を大きく左右します。見た目はもちろん、材質によって歩いたときの感触も異なり、価格にも幅があります。部屋の用途によって向き・不向きな床材もあるので、その特徴も把握しておことが大切です。
これから、一つ一つの床材について詳しく見ていきましょう。
2.フローリングは「無垢」と「複合」の2種類がある
床材の中でも一番ポピュラーなフローリングですが、大きく分けて「無垢」と「複合」の2種類があります。
◆無垢フローリング
一本の木から切り出した一枚板を製材し、床材用にカットした自然素材のことを言います。木が本来持っている調湿・断熱効果に加え、温かみのある手触りの良さ、木の種類によって違う風合いが楽しめるのも魅力です。
よく使われている無垢材として、
柔らかく踏み心地のよさが魅力の「スギ」
美しい木目を持ち、耐久性や耐水性に優れた「オーク(ナラ)」
衝撃や摩擦に強い、深みのある落ち着いた色合いの「ウォールナット」
などがあります。木の種類によって硬さや性質、見た目もそれぞれ違います。
無垢のフローリング材は呼吸をしているため、湿度によって状態は変化し、反りや割れが生じることもあります。また、収縮してできた床板と床板の間の隙間にゴミが溜まりやすくなる場合があるなど、無垢材ならではの性質があることを理解しておきましょう。
無垢材のメリット・デメリットなどは、こちらで詳しく紹介しています。
◆複合フローリング
複合フローリングとは、合板などの表面に化粧材を人工的に貼り合わせた床材のことで、見た目だけでは無垢材との違いはあまりわかりません。表面の化粧材には下記の3種類があります。
【挽き板】
天然木を2㎜程度の厚みに挽いたもの。挽き板を重ねた複合フローリングは、見た目は無垢材とほとんど変わりません。化粧材に厚みがあるので、多少の傷がついても下の合板は見えません。
【突き板】
木材を0.3~1㎜程度の厚さにスライスしたもの。突き板の複合フローリングは、機能性と手ごろな価格帯が魅力ですが、非常に薄いため、傷がつくと下の合板が見えてしまうことも。
【シート】
樹脂やオレフィン、紙などのシートに木目柄などを印刷したもの。木の化粧材に比べて手入れがしやすく、デザインが豊富。何より低価格なのが魅力ですが、シートは薄いため、剥がれやすい難点も。
複合フローリングは、無垢材のような調湿・断熱に優れた機能こそありませんが、無垢材の欠点ともいえる割れや反りが生じにくく、手入れがしやすい点などは大きな魅力です。
また、緩衝材などを貼り合わせて防音性能に優れたものなど、さまざまな機能を併せ持つ床材も開発されています。
知らなかった…!
3.「塩ビ」の強みを知っておこう
木目や節がステキ。もちろん、フローリングですね?
最近では木目調の塩ビシートなど、さまざまなデザインのものが増えていて、活用の場が広がっているんだ。
詳しく教えてください!
塩ビとは、ポリ塩化ビニルの略で、プラスチックの一種です。
表面がビニールなので水に強いのが一番の特徴。高い防水性や手入れのしやすさから、水廻りの床に良く用いられます。
塩ビの床材は、細かく3種類に分けることができます。
【塩ビシート(長尺シート)】
原料はポリ塩化ビニルのシート状の床材。
水や汚れ、衝撃に強く、傷が付きにくいという特徴から、元々は店舗や医療・福祉施設などで使われてきた床材です。
【塩ビタイル(フロアタイル)】
上記の塩ビシートと原料は同じですが、シートではなくタイル状になっているため、部分的な貼り替えが可能という利点があります。DIYにも最適の床材です。
【クッションフロア】
ふかふかと柔らかいクッション性があるのが特徴。
優れた防水性に加え踏み心地も良いため、比較的長時間立つことになるキッチンや洗面脱衣室、トイレなどの水廻りに適しています。柔らかい分、傷がつくと破れやすい欠点も。
原料は塩化ビニル樹脂。
塩ビは、高い防水性はもちろんのこと、フローリングなどに比べて安価な価格も大きな強みです。
従来は水廻りを中心に用いられることが多い床材でしたが、最近では木目調やタイル調など、デザイン性の高いものも多くなったため、リビングやダイニング、子ども部屋などに使われるケースも増えています。
4.今どきの畳事情
畳は、日本家屋ならではの伝統的な床材です。
「畳床」「畳表」「畳縁(たたみべり)」の3つで構成されています。
従来のい草や稲わらによって作られていた畳は非常に重く、メンテナンスの大変さという難点がありましたが、代わる新素材のものも登場しています。
【畳床】
畳の芯の部分のこと。
昔ながらの畳は畳床に稲わらを用いていましたが、近年では、木質系の原料を板状にした畳ボード(インシュレーションボード)や、断熱材のスタイロフォームなどを使用したものが主流となっています。本畳に比べ軽量なので、持ち運びや貼り替え時の作業効率が良いのも利点です。
【畳表】
畳みの表面部分。従来は天然のい草を使ったものがほとんどでしたが、最近は樹脂や和紙などの素材が人気です。
樹脂の畳表は耐久性に優れ、飲み物をこぼしても染み込みにくくサッと拭き取れるなど、手入れの簡単さが魅力です。和紙から作られた畳表は、い草の肌触りに近く、植物性ならではの優しい風合いが特徴。
いずれも色が豊富で、日焼けによる変色やダニ・カビの発生も抑えてくれるという利点もあります。
【畳縁】
畳の角の部分が擦れてイ草がほぐれたり破れたりするのを防ぎ、補強するためにつけられた布のことを言います。無地のものや、さまざまな柄が織り込まれたものがあります。最近では、さまざまなカラーバリエーションがあり、好みや部屋の雰囲気に合わせて選ぶことができます。
最後に、最近人気の「半畳畳(はんじょうたたみ)」についても紹介しましょう。
▲半畳畳を使った施工事例。洋室にもなじむ琉球畳をLDKの一角に段差なく敷きました。
昨今では、こういった縁なしの半畳サイズの畳を総じて「半畳畳」と呼びます。どんなインテリアとも馴染む和モダンな雰囲気や、カラーバリエーションの豊富さなどから、人気を集めています。
半畳畳のことを「琉球畳」と呼ぶ人もいますが、本来の琉球畳は、琉球で栽培されていた「七島イ草」を使用した半畳の縁なしの畳のことを指します。
上記写真の施工例のように、和室を作らなくても洋室の一角を畳スペースにすることもできるので、床材の選択肢としてリビングなどにも柔軟に取り入れてはいかがでしょうか。
5.カーペット・タイルについて
そのほかの床材として、「カーペット」と「タイル」があります。
【カーペット】
カーペットは、主にウールや合成繊維が原料となるため、温かな足当たりと、床に直に座っても快適な柔らかさがあります。
遮音性に優れ、転んだ際の衝撃が抑えられるカーペットは、子ども部屋などに最適。重厚感を出すために、応接間などにも用いられることもあります。
洗えるタイプのものや、部分交換できるタイプのものもあるので、ダニやホコリ、汚れが気になるという人にも安心です。
【タイル】
粘土などを焼成して作られるタイルは、水や汚れに強く、耐久性に優れています。そのため、主にキッチンなどの水廻りや土間などの土足歩行するような場所で使用されます。
テラコッタ風の素朴のものから、お洒落なデザインの柄のものまで、豊富な種類から選べるのも魅力の一つです。
タイル独特のヒヤッとした触り心地を解消した防寒タイプのタイルなども製造されています。
ナチュラル系もいいけど、高級感のあるダークカラーにも惹かれるし…。
どんな種類があるのか、リフォーム会社に相談してみよう!
6.まとめ
床材は、暮らしやすさや空間の印象を大きく左右する上、簡単に交換はできないものです。
リフォーム会社任せにせず、自分でも床材についての知識をある程度持っておくことが大切です。
床材選びは、見た目の好みだけでなく、床材の特徴に合わせた適材適所を考えながら、予算なども含めて慎重に決めましょう。カタログ写真だけで選ばずに、ショールームなどにも足を運び、実物を見て、実際の触り心地などを確かめてから選ぶことをおすすめします。
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