吉村建設(株)
6名の個性的な建築士と連携し、アイデア豊富な家づくりを行う吉村建設。 現場監理は専任で担当制。解体時の騒音や埃など、きめ細かな部分にも気配りのできる会社です。
豊かな自然の中に建つ実家の平屋を家庭的でホッとくつろげるデイホームへ生まれ変わらせたい。施主のNさまが描いてきた夢をかなえた施設は、地域社会に貢献するだけではなく自らの新しい人生を有意義なものにする道しるべとも言えそうです。
庭と建築当時の面影や佇まいはできる限り失わず、個性的な施設設計にこだわった成果が、隅々に見られます。正面玄関は車椅子の移動を容易にするスロープを設け、広い廊下と施設内へとつながります。事務管理室の近くには、地域の交流スペースを兼ねた相談室を確保。廊下を奥へ進むと、以前のLDKを改装した食堂、 2か所の浴室、和室と洋室の居心地を活かした機能訓練室が配されています。入居者の方々にあたたかい介護を提供しながら、毎日の「生活」「笑顔」を守ることが施設の想い。吉村建設による住宅から施設への見事なコンバージョンです。
通常のリフォームの施工とは異なり、施設の法令順守、介護現場の意見を反映させることに重点を置いたと担当者は振り返ります。まずは福祉施設の開業に必要な法律を建物や敷地でクリアすること。また工事中は施設のスタッフに確認してもらいながら、浴室出入口の変更、洗面台の移動、浴室の使い勝手を見直すなど、施設ならではの苦労も痛感したそうです。現場で人の動線や広さなどを確認しながら仕上がりを決めていきました。
福祉への関心は、地域貢献できる土地や建物の有効活用として高まりを見せています。 Nさまもご両親が残された会社と家を継ぐことへ感謝を忘れず、福祉介護の事業にも誠意をもって取り組まれています。施設の名前「㐂春想(きはるそう)」には、ご両親の名前を一文字ずつ取られているとか。いずれは敷地内の改装していない間取りにご自身の生活の場を戻したいとNさま。多くの人に支えられた夢の実現を喜ばれています。