構造補強を徹底して実家を再生

江田島市で行われたフルリフォームの事例をご紹介します。

定年を迎えられたのを機に帰京を決めたNさま。お祖父さまが建てた築約60年の家は、冬の寒さや段差が多いという問題があり、施設に入所されたお母さまの一時帰宅も難しい状態でした。さらに、近所でシロアリ被害が出ているという話もあり、早く手を入れる必要があると、リフォームを決断されました。

数社に相談した後、木造建築の構造に詳しく信頼できると感じた山根木材に依頼を決定。リフォームする箇所は、まず第一に、防蟻、断熱、構造の補強とし、次に自分たちが今後暮らしやすい空間にしていく、という優先順位を決めて、予算内に収まるように決めていったそうです。

古民家再生の場合、床面の高さは和室に揃える手法がよく使われますが、Nさま邸の場合は梁や鴨居との距離が近く圧迫感が出てしまうという問題がありました。受け継いできた建材はできるだけ残したいとNさまが考えていたところ、現地調査に来た大工さんが、床下に十分な高さがあることから新しいフローリングエリアの床面をあえて下げる判断をしたのだそうです。天井高にゆとりが生まれ、古い構造材が活きる空間になりました。「母を連れて帰った時のために、思い出のある風景は残しておきたかったので梁や柱をうまく残す提案は嬉しかったです」とNさま。

お茶の先生をされていたお祖母さまの茶室も、畳、襖、壁、天井を新しくして残すことに。生徒さんだったご近所の方がリフォーム後に見学に来られた際、茶室を懐かしがりとても喜んでくださったそうです。お祖母さま、お母さまが大切にしてきた茶室は、今度は奥さまが受け継いでいかれるそうです。

【主な内部仕上げ】LDK床/ジョイハードフロア、キッチン/ラクシーナ、トイレ/アラウーノ、浴室/FZ、洗面化粧台/シーライン、寝室床/ジョイハードフロア（以上Panasonic）、窓サッシ/サーモス、玄関タイル/陶絣（以上LIXIL）、リビング及び寝室の壁・天井/ビニールクロス（リリカラ）